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- 更年期障害の漢方
体質に合わせた漢方薬の処方と食生活・生活習慣のアドバイスをいたします!
更年期障害の症状には、のぼせ(ホットフラッシュ)やのぼせに伴う発汗、頭痛、イライラ、不安感、肩こり、血圧の異常、睡眠障害、めまいなどがあり、身体の多様な部位で様々な症状として現れます。
あまりにもとりとめがないために不定愁訴と呼ばれたり、自律神経失調と呼ばれたり、仮面うつ病と呼ばれ、最近では仮面すら省略してうつ病と呼ぶ医師もいるほどです。
- 更年期は女性ホルモンのエストロゲンが減少し、分泌を促進しようと刺激ホルモンがかえって過剰に分泌されます。このときに現れる様々な症状が更年期障害です。
- 本来、エストロゲンが徐々に減り、月経を停止すると、閉経後のホルモン状態にゆっくりと移行してゆきますが、エストロゲン自体は完全に分泌しなくなるわけではありません。ところが体質や生活習慣の影響を受けて、ホルモンが急激に変化しホルモン失調の症状が現れることや、閉経後のエストロゲン分泌不足などが、更年期障害の原因といえます。
- 中医学では、ホルモンは五臓六腑中の腎臓にある「精」に由来する、と考えています。腎臓は20歳代後半にピークを迎えた後、徐々に働きが衰えてきますが、元々の腎機能が弱い人や遺伝的要素、ストレスや生活習慣によって腎気が低下すると、ホルモン調整機能が衰え、更年期障害を発生させます。
- 目先の症状を改善することも重要ですが、西洋医学のように身体の外からエストロゲンの充填を行うと、身体の中では自分でホルモンを分泌したのと勘違いし、エストロゲンをますます作らなくなり、いつまでたっても自分ではホルモンのバランスを調整できず、外からのホルモン補給を中止するとまた更年期障害のような症状が出てしまいます。さらに悪いことには、ホルモン充填療法は乳ガンや心筋梗塞・脳梗塞の発症率が増える場合があります。
症状に応じた漢方の処方例
更年期障害の症状が自律神経の失調によって起こっているとはいえ、その本質が腎臓の弱りにあるわけですから、治療には腎の働きを助ける補腎という治療が欠かせません。 補腎を行った上で、気の乱れを整える治療をあわせることが重要です。
肝気鬱結タイプ
症状 | イライラや情緒不安などを主とし、鬱滞が長引いたり、症状が強く現れると、のぼせやホットフラッシュなどになってきます。 更年期障害の症状の中心です。 |
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漢方薬処方例 | 本治の肝腎を補う滋補肝腎薬と肝気の流れを改善する疏肝薬を基本として、症状に応じて処方を様々に使い分けます。 |
心腎陰虚タイプ
症状 | 不安感を主症状として、不眠や動悸、冷えのぼせや血圧不安定などを伴います。 |
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漢方薬処方例 | 心腎を補う滋陰心腎薬を主として用います。 |
肝陽上亢タイプ
症状 | 肝腎陰虚から発展したものが多いのですが、怒りっぽいとか頭痛、目の充血や強いのぼせ、など頭のほうが熱っぽいといった熱が上に昇ってくる感じが強く現れます。 |
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漢方薬処方例 | 滋補腎陰薬に平肝潜陽薬を併用します。 鎮肝熄風湯や天麻鈎藤飲のような代表処方はないので、工夫して処方を組み合わせて使っています。 |
心脾両虚タイプ
症状 | 気分の抑うつ感や気力の低下、食欲不振、不眠など元気がなく疲れやすいタイプといえます。 元々胃腸の弱い方や、体力の無い方に出やすく、胃腸機能低下や血虚の傾向が見られ、不眠や熟睡感の欠乏の訴えは多いようです。 |
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漢方薬処方例 | こういったときには健脾養心薬がぴったりでしょう。 |
いずれの場合も本質は肝と腎、任脈督脈の弱りですので、肝腎を補う六味地黄丸や杞菊地黄丸、八味地黄丸、参茸補血丸といった補肝腎の処方は欠かせません。
事例紹介
服用例1 54歳 主婦
症状
51歳で閉経。1年前から、のぼせが起こるようになり、多いときは1日に10回以上起こり、5分程度汗が続く。
手足は冷えて肩こりもひどい。腰痛もある。寝汗があるほか、夜中に暑くて目が覚めることもある。最近は落ち着いているがめまいもあった。大便は3日に1回、食欲など問題ない。
既往症:乳ガン、甲状腺腫。
弁証
肝腎陰虚、肝鬱化火、気滞血瘀、杞菊地黄丸と加味逍遙散、冠元顆粒を併用しました。
費用は1ヶ月およそ二万円ほど掛かりましたが、2ヶ月の服用で症状は無くなり、お薬の服用は終了しています。
服用例2 50歳 パート
症状
3ヶ月前に月経が飛び、その後翌月には月経はあったが月経期間終了後、再び不正出血が7日間ある。
他には食欲の低下、下利を起こしやすくなるなどが起こる。体がだるく、仕事も量を減らしている。へその下が押さえると痛い。
ヘモグロビン値が低いので貧血といわれた。ビタミン剤や鉄剤胃薬などが処方されたが、へその下の脹った痛みが一向に改善しないので、相談に見えた。
舌の状態を確認すると、舌の色は薄くコケも多くない、また痩せた小さな舌でした。
弁証
腹痛の性質が脹ってしくしくと痛むことから血虚が長引いたことから血瘀を生じ、痛みになっていると考えました。
すなわち、血虚血瘀症です。
治療薬は血虚は必ずしも貧血ではありませんが、貧血はもちろんのことですが、血液が身体を濡養できない状態です。
当然治療の中心は血液を増やし元気にする処方です。この場合は帰脾湯を主薬に、佐薬(補助的な薬)として冠元顆粒を常用量の半分ほど服用いただきました。
費用的には1ヶ月二万円弱です。1ヶ月ほどで腹痛をはじめ症状はほとんど改善したが、用心のためその後も1日1包程度の服用を続けています。
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