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中医学(中国漢方)について
中医学は、中国で4,000年以上の歴史をもつ伝統医学で、中国国内各地に様々な流派に分かれて伝承されていました。
中華人民共和国の成立後、学校で中国伝統医学を教育するため、各地に居られた老中医(名医)を一堂に集めて理論のすり合わせなどを行い、統一された中国伝統医学教育が行われるようになりました。この医学体系を「中医学」と呼びます。
日本の後世派(中国金元時代の医学体系)も共通しますが、中医学にはその後の発展した理論体系も含んでいます。
日本では中医学という言葉は馴染みがなかったので、中国漢方という表現を用いて日本の古方の漢方との違いを表わしています。
中国漢方・漢方薬について
あなたは漢方薬についてどのようなイメージを持っていますか?
「漢方薬は即効性がない」「漢方薬は高い」と思っていませんか?
1.漢方は即効性がない?…いいえ、多くの方が1週間前後で変化を感じています!
当店では「陰陽五行論」や「気血津液理論」など中国漢方の様々な身体の理論をもとに、望診や聞診、問診などを通して自覚症状や体に現れた変化などを見極めて漢方薬を決定するので、飲み始めて1週間前後で多くの方に変化を感じていただいています。
そのため当店では原則1週間程度の漢方薬をお渡しし、服用後の変化に合わせてその後の漢方薬の組み合わせを決定しています。
2.漢方薬は高い?…いいえ、1日160円程度から始められます!
当店では予防や体質改善を目的とされる方には1ヶ月5,000円程度から漢方薬を処方しています。
また、中国漢方の理論に基づく食生活のアドバイスも行ない、一人ひとりの方の症状や体質、予算に合った漢方薬との付き合い方を提案させていただきます。
当店では中医学(中国漢方)に基づく処方を行なっており、江戸時代の鎖国などによって日本で発展した独自の漢方(日本漢方)とは似ていますが、別のものとなります。
日本漢方では、中国の漢の時代に書かれた医学書をベースとした「古方派」と呼ばれる流派が主流となっています。
この流派は症状や腹診から得られた情報パターンを「証」と呼び、証と処方は相対的に結びついているとして「方証相対」に従った漢方薬で治療を行ないます。
それに対し、中国漢方では「陰陽五行論」や「気血津液理論」といった多くの理論に支えられて肉体の生理機能を把握しており、
その生理機能の状態を望診や聞診、問診、切診といった診断技術で確認したうえで、その理論と矛盾する点を病気の原因と捉えて治療を行ないます(「弁証論治」)。
診断された病名に対する治療を行なう西洋医学と異なり、一人ひとりの体質・症状・原因に合わせた処方を行なうので、病院に通っても治らなかった症状や病名の分からない病気であっても漢方薬で治すことができるのです。
例寒けがして首筋が凝り、汗をかいていないといった症状のとき
日本漢方
「体力が比較的ある場合ややせていない場合、これは葛根湯証なので、葛根湯(かっこんとう)」を使用します。
中国漢方
八綱弁証では寒けがあり、汗をかいていない、ということから、「風の症状」で悪寒から「寒の症状」、発汗がないことから「表の実の症状」ということになります。これを総合すると「風寒表実証」と弁証が出来ます。
また、六経弁証からは太陽病と判断できます。そして首筋の凝りがあることから、辛温解表薬[桂枝湯(解肌発表・調和営衛)・葛根湯(解肌発汗・舒筋)・麻黄湯(発汗解表・宣肺平喘)など多種ある中からの中から特に首筋の凝りを考慮し、舒筋(筋肉の緊張を緩める)作用のある「葛根湯」を選ぶことになります。
もちろん、同じ薬を選ぶときには日本漢方でも中国漢方でも効果に差はありません。
葛根湯は決して風邪の初期に効く漢方薬ではなく、寒け・無汗があるときに効く漢方薬です。
漢方薬処方までの流れ
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1.電話または予約フォームで漢方相談の希望日時をご連絡ください。
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2.ご来店いただき、問診票にご記入いただきます。
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3.問診票を基に、現在の症状など詳しくお話をお聞きします。(約30分)
望診 顔色や表情、体型、髪の様子、舌の状態、患部の状態などを診て内臓の状態を診断します。 聞診 声の大きさやトーン、咳の出方、痰(たん)の様子、呼吸音などの音を聞いたり、においを嗅いで身体の状態を探ります。 問診 自覚症状や発症の時期、これまでにかかった病気、日常生活(飲食・頭痛・大小便・月経など)についてできるだけ詳しくお聞きし、身体の状態を確認します。 切診 薬局ですので、きちんと脈診をするのは難しいため、省略することも多い。脈拍数や脈の力の有無の確認をすることもあります。腹診と呼ばれるお腹の状態などを確認するのはほとんどしません。 -
4.ある程度の予算と目安となる期間 、漢方処方の方針、生活スタイルに合わせた飲み方を提示させていただきます。
特にご予算についてのご希望は遠慮なくお伝えください。
患者様の都合を無視して高額な薬を押し付けることは決していたしませんのでご安心ください。
また、より早く健康な身体を取り戻していただくため、中医学の理論に基づいて食生活やその他に気をつけていただきたいことなどをアドバイスさせていただきます。
陰陽五行論
「陰陽五行論」は古代の中国の人々が、自然現象、宇宙、人や動植物を概念として把握するのに用いた理論です。
物事を分類する最小単位の2進法 (陰陽…光と影や月と太陽)から進化し、四季や四方のように4つの性質に分かれ、更にその分類の基本になるものを加えた5つの性質に分類して把握します。
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木
春のように陰気の中から陽気が生じ、木々も枝を伸ばし新緑をつける、物事がのびのびと生まれ発展する特性に対して「木」と名づけました。
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火
純粋の陽気だけの働きに対して「火」と名づけ、温める働きや向上の働きを当てました。
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土
大地のようにすべてを土に変化させ、栄養の源となる性質に対して「土」と名づけました。
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金
陽気の中から陰気が生じ、目に見えないものから結実させるかのような働きに対して「金」と名づけました。
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水
冬のような陰気が集まったものは寒くて様々のものを閉じ込めると同時に、春への準備に蓄えをします。これに「水」の名前をつけています。
五行 | 五行特性 | 五臓 | 五官 | 五腑 | 五味 | 五体 | 五志 | 五色 | 五華 | 五季 | 五穀 |
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木 | 生発 舒展 |
肝 | 目 | 胆 | 酸 | 筋 | 怒 | 青 | 爪 | 春 | 麦 |
火 | 温熱 向上 |
心 | 舌 | 小腸 | 苦 | 血脈 | 喜 | 赤 | 面 | 夏 | 黍 |
土 | 変化 長養 |
脾 | 口 | 胃 | 甘 | 肉 | 思 | 黄 | 唇 | 長夏 | 稗 |
金 | 粛殺 収斂 |
肺 | 鼻 | 大腸 | 辛 | 皮 | 悲 | 白 | 毛 | 秋 | 稲 |
水 | 寒涼 下行 |
腎 | 耳 | 膀胱 | 鹹 | 骨 | 恐 | 黒 | 髪 | 冬 | 豆 |
この5つの性質は様々なものの分類に用いられ、生・克・侮など互いの関係のうえに成り立った理論を五行論と呼んでいます。
この五行(木・火・土・金・水)を様々なものには当てはめた五行の色体表という一覧には、身体に関することでは五臓(肝心脾肺腎)、五官(目舌口鼻耳)、五腑(胆小腸胃大腸膀胱)、五体(筋血脈肉皮骨)、五志(怒喜思悲恐)、五華(爪舌唇毛髪)などがあります。
このことから、例えば眼の治療には肝臓から、耳の治療には腎臓からといったように利用します。
気血津液理論
陰陽五行が性質や機能に付いた名称であったのに対して、体内を循環している物質を「気」・「血」・「津液」・「精」・「神」として捉え、それぞれの役割と働きを整理した理論が「気血津液論」です。
例えば、気が不足すると疲れやすくお腹が空かなかったり、下痢をしやすくなります。
気が停滞するとお腹が脹ったり、痛みの原因になります。
血液が不足すると西洋医学では貧血ですが、中医学では「血液の品質×量」を考えますので、品質低下もあわせて血虚と呼び、お肌のかさつきや、眼の疲れ、髪の毛の劣化など様々な症状と結びついて考えます。
「気」 | 活動や物質を変化させるエネルギー的基礎物質で、呼吸や胃腸と密接に関連します。 |
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「血」 | 体温・酸素・栄養分などを全身や内臓に送り、内臓や皮膚、毛髪、眼、爪を滋養します。
特に脳と卵巣や子宮とは密接に関連します。 |
「津液」 | 「津液」とは体液のことですが、水というと都市に上水道と下水道があるように、身体にも津液というきれいな水と、水と呼ばれる汚れた水(使用済みの水)があります。
潤す働きがあり、冷却能力も持っています。 |
「精」 | 人の生命力の根源と考えられ、必要な栄養素の蓄積するための形やホルモンの働きなどをさしています。 |
「神」 | 高次精神活動、いわゆる魂の働きをさしています。 |
舌は全身を現す?
東洋医学の世界では、舌はその人の体質や内臓の状態を映し出す“鏡”であると考えられており、舌の状態を観ることでその人の体質や状態を知る手段のひとつとされています。
具体的には、「舌の形状」、「苔の状態」、「舌色」「舌裏の静脈」などを観ます。
正常な人の舌は、きれいなピンク色で、薄い白色の苔があり、舌表面には適度な潤いがあるのが理想とされます。
右記のイラストのように舌は身体を現します。
下記のイラストのように舌で身体の状態がわかります。
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舌の大小
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舌の硬さ・柔らかさ
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舌の白い・赤い
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舌の紫色・アザ・舌裏血管
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潤燥
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